WLC GUIでの無線LAN設定
CCNA 200-301では、コマンドラインではなく、WLC(Wireless LAN Controller)のGUI(Web管理画面)を使って、クライアント接続に必要な無線LANの各種設定を行う流れを理解しておく必要があります。GUIでの設定は、大きく「WLANの作成」「セキュリティ設定」「QoSプロファイル」「詳細設定」の4つに分けて理解すると整理しやすくなります。
以下の画面名・操作手順は、Cisco AireOS WLC(例:AireOS 8.x系)を前提としています。Catalyst 9800系WLCでは、GUIの画面構成や、WLANプロファイルとポリシープロファイルを関連付ける設定モデルが異なります。
WLANの作成
WLC上で無線LANを新規作成する際の操作の流れは、次のとおりです。
- WLANsメニューから、Create New > Goを選択し、新規WLANの作成画面を開きます。
- 新規WLANの作成画面で、WLAN ID(同一WLC内で重複しない、WLANを識別する番号)、Profile Name(プロファイル名:WLC内部で、その無線LAN設定を管理上識別するための名前)、Type、およびSSID(クライアント端末に表示される、無線LANネットワークの名前。詳しくは別記事「無線LANの基礎(無線の原理)」で解説しています)を入力し、Applyで作成します。
- 作成したWLANを選択し、Generalタブで、Interface/Interface Groupを設定します。ここでは、このWLANに接続したクライアントのトラフィックを、有線ネットワーク側のどの動的インターフェイス、またはインターフェイスグループへマッピングするかを選択します。動的インターフェイスはVLANにマッピングされるため、動的インターフェイスを選択した場合は、この設定によって無線LAN経由で接続したクライアントが接続するVLANが決まります。インターフェイスグループを選択した場合は、グループ内のいずれかの動的インターフェイスにクライアントが割り当てられます。
- StatusをEnabled(有効)にチェックし、Applyで設定を保存します。
WLANを新規作成した直後は、既定でDisabled(無効)の状態になっています。手順4の有効化を忘れると、GUI上はWLANが作成済みに見えても、実際にはクライアントが接続できません。
セキュリティ設定
作成したWLANには、不正な接続を防ぐためのセキュリティ設定を行います。GUIの「Security」タブでは、主に次のような項目を設定します。
- レイヤ2セキュリティ:クライアントの認証・暗号化方式を指定します。WPA2のPersonal(事前共有キー:PSK方式)やEnterprise(802.1X/RADIUSサーバーによる個別認証)といった方式から選択します。WPA2-PSKを設定する場合は、WPA2とAESを有効にし、PSKを選択して共有キーを設定します。画面上の項目名はWLCのソフトウェアリリースなどにより異なる場合があります。WPA3を選択できるかどうかは、WLCの機種やソフトウェアリリースなどに依存します。
- レイヤ3セキュリティ:Webポータル認証など、WLCのレイヤ3セキュリティ項目で追加の認証を行うオプションです(ゲスト向けWLAN等で使われます)。
- AAAサーバー:Enterprise方式を選ぶ場合は、あらかじめWLCに登録したRADIUSサーバーを、このWLANの認証用AAAサーバーとして関連付けます。
CCNA 200-301では、WPA2-PSKを用いたWLANのGUI設定は出題範囲2.9に含まれます。暗号化方式の詳細は、使用する試験バージョンの出題範囲を確認してください。
QoSプロファイル
AireOS WLCには、WLANに割り当てるトラフィックの優先度を制御するための4段階のQoSプロファイルが用意されています。
| QoSプロファイル | 想定される用途 |
|---|---|
| Platinum(プラチナ) | 音声(VoIP)通話など、最優先で扱いたいトラフィック |
| Gold(ゴールド) | ビデオ会議など、高品質を要する映像トラフィック |
| Silver(シルバー、既定値) | 通常のデータ通信(Best Effort) |
| Bronze(ブロンズ) | ゲスト向けサービスなど、優先度が低いトラフィック |
WLANごとにQoSプロファイルを割り当てることで、例えば「音声専用WLANにはPlatinumを、ゲスト向けWLANにはBronzeを割り当てる」といった形で、複数のWLANが混在する環境でも、重要な通信を優先して扱うための設定ができます。ただし、経路全体で優先制御を行うには、有線ネットワーク側を含むQoS設定も必要です。何も指定しない場合の既定値はSilverです。
詳細設定(Advanced)
「Advanced」タブでは、WLANの動作に関わる、より細かい設定を行います。CCNAの出題範囲としては、代表的な項目の存在と大まかな役割を理解していれば十分です。
- クライアントの最大接続数:1つのWLANに同時接続できるクライアント数の上限を制限する設定です。
- セッションタイムアウト:クライアントのセッションを終了させるまでの時間を設定します。セッション終了後は再接続・再関連付けが必要であり、認証を設定したWLANでは再認証も必要です。
- DHCPプロキシ:WLCがクライアントとDHCPサーバーの間でDHCPメッセージを中継・代理する仕組みです。AireOSでは通常、DHCPプロキシの有効・無効はコントローラのグローバル設定で行います。
- 帯域幅制限(Bandwidth Contracts等):クライアントごとの利用帯域幅に上限を設ける設定です。
設定の確認(WLC CLIでの参考確認)
出題範囲2.9はGUIでの設定操作の理解が中心ですが、GUIで作成したWLANの一覧は、AireOS WLCのCLIからshow wlan summaryコマンドでも確認できます。
WLC# show wlan summary
Number of WLANs: 2
WLAN ID Profile Name Type SSID
------- ------------- ---- ----------
1 corp-wlan WLAN Corp-Wifi
2 guest-wlan WLAN Guest-Wifi表示項目や形式はWLCのソフトウェア系統・リリースによって異なります。AireOSで個別のWLANが有効かどうかを確認する場合は、show wlan <WLAN ID>を使用し、表示されるStatusがEnabledであることを確認します。GUIでWLANを作成した直後は無効な状態になっている場合があるため、クライアントが接続できない場合は、有効化(Enabled)の設定が漏れていないかを確認するのが基本的な切り分けです。